紫水は水戸市を中心に茨城県内で遺品整理・生前整理・特殊清掃を行っています。

現在弊社では年間80件の遺品整理・生前整理・特殊清掃を請け負っております。そのうちの約半数がゴミ屋敷です。そしてそのゴミ屋敷の中でひっそりとお亡くなりなるという、いわゆる孤独死の方が増えております。

水戸市内のアパートでの孤独死

水戸市内のアパートの一室でHさん（60代男性）がお亡くなりになられました。Hさんのお部屋の隣の方から大家さんに「異臭がする」という連絡が大家さんに入り、大家さんが警察官立会いの下そのお部屋を開けてみると、Hさんは布団の上で亡くなっていました。

警察官の実況見分が終わると、ホームページを見た大家さんから紫水に連絡がありました。

「うちのアパートから孤独死が出てしまいました。本当にショックです。保証人になっているHさんの弟さんの電話番号をお伝えいたします。申し訳ないですが、お兄さんと至急連絡を取ってもらって。部屋の片づけと原状回復をお願いします」

何はともあれ、お部屋の状況を見ないことには始まりません。早速現場に向かいました。現場は水戸市郊外の渡里地区。周りは畑と住宅が混在する静かなところです。大家さんに会い、カギを預かり、ドアを開けた途端強烈なにおいが襲ってきました。ある程度予想はしていましたが、アンモニアが混ざったかなりの刺激臭です。遺体はすでに警察が搬出しており、警察の見分の結果、部屋の内部も荒らされておらず、外傷もないことから事件性のない病死と断定されました。

しかし、お亡くなりなってある程度日数は経過していたのでしょう、天井、壁、床、至る所から腐乱臭が感じられます。部屋を元通りにするには相当なリフォームが必要です。

寝室の畳はすべて取り換え、壁紙も剥がして張りなおすことにしました。フローリングの床板は外すことができないため、アルコール系の業務用消毒液で念入りに雑巾がけし、さらにオゾン脱臭機を使い匂いを取り除いていきます。

Hさんは元々新潟の方でしたが地元の高校卒業後は工員として日立製作所に入社して、定年退職後も茨城県で生活していました。若い時に結婚してお子さんもいるとのことですが、三十代半ばで離婚してからは一人暮らし、息子さんは奥さんに引き取られ、今はどこにいるかわからないということです。新潟市内に住むお兄さんが健在であり、彼が保証人にもなっているとのことです。とはいえ、お兄さんとも年に1、2度電話で話すぐらいでもう何年も新潟には帰っていないそうです。

お兄さんに電話で状況を伝えると、ある程度は警察から聞いていたらしく、そこまでは驚かれませんでしたが、「なんで相談してくれんかったかなぁ・・・」と言われた一言が心に響きました。概ねの遺品整理作業料金を伝えると、それでお願いしますということでしたので紫水が片付けを請け負わせて頂きました。

荒れ放題の室内、臭いがかなり立ち込めていました。

遺品整理1日目

私はHさんのお部屋に入り、貴重品を探し出しました。タンスや戸棚の中を念入りに探し出し、なんとか通帳、銀行のキャッシュカード、生命保険証書、クレジットカード、印鑑、封筒に入った数千円のお金、期限の切れた運転免許証を見つけ出しました。限られた作業日数でもありゴミ屋敷状態ですのでこれ以上のものは断念せざるを得ません。もしかするとゴミの中に時計や宝飾類などの貴重品が埋もれているかもしれませんが、さすがにそもそもあるかどうかもわからないものを探し出すのは厳しいため、お兄さんにもその旨は伝えてあります。

そして腐敗臭の染みついた衣類や布団、本、空き瓶類などを処分しました。

遺品整理2日目

新潟から駆けつけてきた兄夫婦に1日目に出た貴重品類を渡しました。いつものことではありますが、お兄さん夫婦は大変驚かれ、奥様は涙を浮かべておられました。2日目でも相当ひどい状況ですが、これでも1日目よりはずっと片付けられています。

1.臭いの発生源を特定して取り除く

異臭の染み込んだ布団、服、本などの紙類を処分して、とこ材や天井・壁のclothをすべて剥がす。

2.オゾン脱臭装置を使用（1回目）

業務用の強力オゾン脱臭機器を使い、臭いの元となる分子を破壊。

3.換気をして新鮮な空気を取り込む

オゾン脱臭のポイントは必ず外気を入れて新鮮な空気をお部屋に取り込むことです。

4.業務用除菌剤を使ってさらに臭気を弱める

床材やクロスを剥がして消毒作業をします。

5.オゾン脱臭装置を使用（2回目）

再度も部屋にオゾンを散布します。

ここまでして大家さんに立ち会っていただき、部屋の鍵をお返ししました。しかし、ここまでやっても完全に臭いが取れるまではもう暫く時間がかかります。大家さんには天気のいい日には定期的に換気をして頂くようお願いしました。