紫水は水戸市を中心に茨城県内で遺品整理・生前整理・特殊清掃を行っています。

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お知らせ

遺品整理には複雑な事情が見え隠れしている場合があります

2年ほど前、埼玉県にお住いのKさんからこんな電話がかかってきました。

「警察から兄が市営住宅の一室で孤独状態で発見された」と連絡がありました。市営住宅ですから日立市役所からも早急にお部屋を片付けてくださいといわれました。一応父母は亡くなり、兄とは若いころ色々あって絶縁状態です。もう30年近く会ってませんし、会うつもりもありませんでした。警察には遺骨はそちらで処分してくださいといいました。お部屋は仕方ないので私が片付けますので料金の請求はこちらにしてください。どうせないでしょうけどもお金が出てきたときはこちらに渡してください。何を片付けるかは日立市役所のYさんに聞いてください」といわれ電話は切られました。

よくあることはとはいえこういう話を聞くと正直やるせなくなります。もちろん、妹さんの気持ちもわからなくはないです。若いころに兄に迷惑をかけられたとでもいうのであれば尚更です。

しかし、どんなにいがみ合っていても血を分けた兄妹、最期だけは気持ちよく見送ってやれないものかなぁと思ってしまいます。

仕事内容は市営住宅ですから浴槽の取り外し処分とエアコンの取り外しもしなくてはなりませんので、エアコンの取り外しは提携している電気工事士を入れ外してもらいました。かなりの旧型で再利用は難しいので廃棄処分いたしました。

衣類などもそれなりにありましたが、念のためKさんに聞くとなにもいらないというのでこちらも廃棄処分です。

お兄さんの詳しい死因はわかりませんがお部屋も割と綺麗でとても寝込んでいたというようにも見えません。あくまでも私見ですが、脳梗塞や心筋梗塞など突発的な病気でお亡くなりになられたのではないかと思われます。一般的に孤独死をされる方というのは数週間から下手すると数年間寝たきり生活であり、自分で片付けることもままならずゴミ屋敷状態ということも結構ありますが、流し台も綺麗で食べ残したカップラーメンが置いてあったぐらいです。

銀行のキャッシュカード(通帳は見つかりませんでした)と保険証、お財布に入っていた現金約1万円をKさんに郵送して、タンスやテレビなどの家財道具はすべてこちらで廃棄処分とさせて頂きました。作業は2日間、物量は2トントラック4台分でした。

作業終了後、綺麗になった部屋の写真を送るかと尋ねると、Kさんは市役所の職員がそれでいいというのであればいらないというので市役所の方に電話を替わって頂き、これでいいですという言質をもらい、作業終了とさせて頂きました。

遺品整理には様々なケースがあり、故人の残した写真や思い出の品が見つかり、大変喜ばれることも多いですが、反面、血が繋がっているから(もしくは保証人であるから)仕方なく嫌々片付けるという方がいるのも事実です。我々は故人と依頼者とのプライベートな話にまでは立ち入れません。

しかし、どんなに仲たがいをしたとしても子供のころなどいい思い出もあるはずです。私などはせめて最期だけは心の中だけでいいですから手を合わせてくださればいいのにといつも思ってしまいます。

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